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七十七銀行女川支店津波被災事件

〜災害における企業の法的義務(安全配慮義務)〜

東日本大震災での裁判例①

東日本大震災発生時,七十七銀行女川支店の行員等が,銀行の災害対応プランに従って,支店長の指揮で,約13メートルの高さがあった銀行の屋上に避難したところ,20メートルあまりの津波が襲来し,行員等12名が死亡又は行方不明になりました。このうち死者3名の遺族から銀行に対して,「銀行は,支店長に十分な安全教育を施さず,災害の事前準備がおろそかだったことは明らか」などと主張し,また,避難場所の指定にも問題があったとして,損害賠償を求める訴訟を提起しました。

この損害賠償事件において,裁判所は,一般論としては,企業の安全配慮義務を肯定したものの,「過去の女川町での記録上最大の津波が約4.3メートルであり,女川町で10メートルを超す津波は予見不能だった」等の理由から同行に安全配慮義務違反があったとは認められないと判断し,遺族側の主張を退けました。

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